週末に大事な試合がある選手のための1週間のトレーニングマニュアル

 

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トレーニングしたいけど、週末の試合に筋肉痛が残ったり、疲労が残っていたら嫌だ、、、

本気でサッカーに取り組んでいたあなたはそういった経験があるかなと思います。

 

トレーニングをシーズンであろうと継続することは、パフォーマンスをまだまだ伸ばしていくことを考えるならば必要不可欠なことです。

一方で、サッカー選手はレベルが上がるにつれて毎試合がチームとしても個人としても重要になってきて、そう簡単に疲労を蓄積させるようなトレーニングを入れられないことが多くなってきます。

 

そういった選手のためにガクトレではメニューの調整をかなり細かく行っているのですが、その手法をお見せしていきたいと思っております。

 

リーグ戦があろうとも週2以上でトレーニングするのは当たり前。

なんなら試合前日でも当日でもウエイトトレーニングを導入します。

これはトレーナーのエゴでなく、パフォーマンスを高めるために必須なことです。

 

 

もしあなたが、今よりももう一つ上のステージで戦えるだけのフィジカルを手に入れていきたいと思うなら、ぜひこの記事を読み進めていってください。

 

 

 

トレーニングの目的

まず最初に押さえておきたいことはトレーニングの目的です。

次に挙げる目的の中から自分に必要なものを選び、それを週の中に配分したりして、その量を調整するという流れが重要になってきます。

 

基本的にサッカー選手がウエイトトレーニングを行う際に考えられる目的は

・筋肥大(筋肉量の向上)
・最大筋力向上
・爆発的パワー向上

この3つが挙げられます。

 

それぞれのトレーニングの特徴をみていきましょう。

 

 

筋肥大

このトレーニングは文字通り、筋肉量を増やすことが目的なのですが、筋肉量が多いほど最大筋力が向上しやすくなり、体重が増えるとフィジカルコンタクトに強くなります。一般的にプロレベルを目指すなら身長-100~105kgを目指してみてください。

 

筋肥大が効率よく成立する条件として、

・トレーニングボリュームをなるべく多くすること
→例えば100kg×10回×3セットやったら計3000kg、この値をなるべく増やすことが重要
・Failureまで追い込ませること
→俗にいう「潰れるまでやること」、もう上がらないというところまで行えるとベスト
・エキセントリックに負荷をかけること
→スクワットやベンチプレスで下ろすときによりゆっくり正確に行う

これらが満たされるほど筋肥大効果は高くなります。

 

これをみていったときに、
トレーニングボリュームは増えれば増えるほど疲労は溜まりやすくなり、Failureまで追い込む意識やエキセントリックの意識を持つほど疲労に加え筋肉痛は発生しやすくなります。

 

なので基本的に筋肥大トレーニングだけを行うとパフォーマンスは下がります。

ですが、筋肥大が必要な選手は非常に多く、取り入れる際にはかなり気をつける必要があるのです。

この気をつけ方は後の章でお話ししていきます。

 

 

 

最大筋力向上

最大筋力は一概にパフォーマンスに直結するわけではありませんが、次に説明する爆発的パワーを高める際に最大筋力が低いとあまり効率よく伸びていってくれなくなってしまいます。

例えばバックスクワットならプロ志望で体重の2~2.5倍、高校生や社会人でも体重の1.5倍の挙上重量はないと足りていないと思ってください。

 

最大筋力向上の際には

・トレーニング中の強度を下げずに量を確保すること
→1RM(最大挙上重量)の85%以上は最低でも確保して、1回のトレーニング中で最初に設定した重量から重さを下げない

これが最も大事になってきます。

 

実際にセットを組む際には

6RM(6回目で限界を迎える重さ)で4回3セット
4RM(4回目で限界を迎える重さ)で2回2セット
みたいな組み方をすることが多いですが、前者はそこそこトレーニング量が多いので試合4日前に取り入れることが多く、後者は強度はあるもののトレーニング量はそこまで高くないので試合前日でも取り入れる選手は多いです。

 

どちらをどう取り入れるかは選手によって異なるので、実際の例を後に挙げていきます。

 

 

 

爆発的パワー

これは直接的にパフォーマンスに直結することが多く、リーグ期間でパフォーマンスを維持しながらトレーニングを行う場合は99%取り入れます。

 

爆発的パワー向上の際には

・力積が最も高くなる重量を選択
→30~60%1RM(1回限界で上がる重さの30~60%の重量)で行う
・追い込ませない
→軽いので10回以上できてしまうけど基本4回でセットを組む
・バリスティックトレーニングを優先的に行う
→スクワットジャンプとかメディシンボールスローとか

これらが重要と考えられます。

 

これらをみていくと、軽くてセット数も少ないので疲労は溜まりにくいです。

また、反動を使わないようにするジャンプスクワットを選択するとRFD(力の立ち上がり率:どれだけ早くピークパワーを出せるかというサッカーにかなり必要な能力)を向上させることができ、筋肉痛になりやすい状況も回避できるので前日でもしっかりとトレーニングを行うことが可能です。

 

 

さてこれらの目的のトレーニングをどう取り入れていくか、次の章でお話ししていきます。

 

 

 

ピリオダイゼーションについて

ピリオダイゼーションとは日本語で期分けという意味で、簡単に言うと週単位、月単位、年単位で前章の目的をどう散りばめてトレーニングさせていくかということになってきます。

 

実を言うとさまざまなピリオダイゼーションの形があるのですが、今回は週末の試合を見越しての1週間のトレーニングメニューということで私が最も使用する『ブロックピリオダイゼーション』という手法を解説していきます。

 

これは前章の目的のトレーニングを必要に応じて1週間の中に散りばめていき、トレーニング効果も出しながら疲労を蓄積させずに週末の試合に臨ませることを主とした手法です。

 

週末の試合にフォーカスさせることができるのがメリットですが、一方で年単位とかでみると週末の試合を無視した方がパフォーマンスの向上にはつながるので、あくまでも週末の試合にフォーカスをあてながらパフォーマンスを向上させることに対して最もいい手法であるということを覚えておいてください。

 

 

 

実際のメニューの組み方

みなさんがメニューを組む際には次の順番でつくってみるといいかもしれません。

 

①目的を決める

・体重を増やしたいor当たり負けしにくくしたいorピークは1年以上先にしてキレを上げたい→筋肥大、最大筋力、爆発的パワー
・体重はあまり変えずキレを上げたい→最大筋力、爆発的パワー

私がさまざまな選手と関わってきて、大きく上の二つに集約されるかと思います。

 

 

②トレーニングできる日を設定する

ここでもおおよそ2パターンかなと思います。

・練習がかなりハードで週2回が限界
・練習がそこまでハードでなく、週3~4回できる

 

 

③それぞれの日に①で決めた目的を散りばめる

基本的に週末のリーグ戦の2日前以降には爆発的パワーの日を設けます。そして試合から4~6日前くらいに筋肥大や最大筋力のメニューを設けてみてください。

ただ、人によって試合2日前〜試合当日に最大筋力で扱うような重量を入れるとパフォーマンスが安定するという選手もいます。これは人それぞれなので後で見つけ方もレクチャーします。

 

例えば日曜に試合があるとして

・週2日トレーニングを設ける場合
火曜:最大筋力 &/or 筋肥大
金曜:爆発的パワーメイン

 

・週4日トレーニングを設ける場合
火曜:最大筋力 &/or 筋肥大(下半身メイン)
水曜:最大筋力 &/or 筋肥大(上半身メイン)
木曜:爆発的パワー or 最大筋力(土曜に行うならoffでも可)
金曜:爆発的パワー
土曜:爆発的パワー

 

こんなイメージでやってみてください。

 

 

④トレーニングボリュームを決める

実は週末に疲労を溜めずにパフォーマンスを伸ばすためにこの作業が最も重要になってきます。

正確にいうと少し異なりますが、トレーニングボリュームとは【重量×回数×セット数】の合計値だと思ってください。

例えば1回のトレーニングで100kgで10回3セットやるなら、100×10×3で計3000kgという計算です。

 

①〜③でメニューを組んだ後、トレーニングボリュームをそれぞれの種目で算出していきます。面倒な方はまずメイン種目となる可能性の高いスクワット系だけで大丈夫です。

・1日あたりのトレーニングボリューム
・週あたりのトレーニングボリューム

これを出していきます。

 

次に、実際にトレーニングを1週行って試合をやってみて、その試合の朝に疲労感があったか否か、試合で動きやすかったかを記録します。ここは主観的で問題ないです。

 

もし疲労感が少なかったorなかったり、試合で動きやすかったりしたら、次の週はトレーニングボリュームを少し増やします。

増やすときのコツですが、
・最大筋力のボリューム向上:重量を上げるorセット数を増やす
・筋肥大のボリューム向上:回数 &/or セット数を増やす
・爆発的パワーのボリューム向上:セット数を増やす

この感じで調整してみてください。

 

ここで調整したら再度1週間トレーニングして試合に臨んでみて、もう一度疲労感や動きやすさをチェックしてみます。これを繰り返して疲労感が出始めたり、動きにくくなるところまで増やしていきます。

 

 

もし最初の調整で疲労感が割と出たり、試合で動きにくさを感じた場合は上記の逆にボリュームを下げていきます。

こんな感じで調整していって、おおよそ3週くらいをかけて理想的なボリュームを見つけていきます。

 

注意点として、ここで見つけたボリュームは一生そのままでなく、おおよそ2~6ヶ月くらいで変化するので微調整できると良いです。

トレーニングによって体力がついてくればボリュームを高めても大丈夫ですし、連戦で疲労が蓄積されていくと同じボリュームでも試合にマイナスな要素が濃く残ったまま臨んでしまうことになったりします。

なので一定の期間でトレーニング内容は見直すべきと言えるのです。

 

 

 

実例のご紹介

さて、実際にガクトレでどのようにメニューを組んでいるのかお見せしていきます。

あくまで全体の一部を切り抜いただけなので、これだけみると不十分に見えたりするので、そこはご了承ください。

 

 

①高校3年生男子選手

この選手は週末にリーグ戦があり、高校3年生なので毎試合ハイパフォーマンスで臨みたいという要望も汲んだメニュー構成にしています。
参考として1RMは115kgで、測定から最大筋力、筋肥大、爆発的パワー全般の全てに伸びしろがある状態だったので、春くらいは最大筋力のところを筋肥大寄りのメニューにしていました。

 

・試合4~6日前のメニュー

バックスクワットだけ1週ごとに一段下のメニューを取り組んでもらっています。例えば1週目は80kgで5回3セット、2週目は82.5kgで3回3セットといった感じです。

 

・試合2日前のメニュー

彼自身、高負荷のトレーニングを少しだけ試合2日前に入れるといい感覚になると言っていたので、筋肉痛や疲労感が残らないギリギリの範囲で高負荷を取り入れています。

 

 

 

②27歳男子プロ選手

この選手はスピードも武器にかなりハードワークする選手で、週末のリーグ戦には疲労感や筋肉痛が全くない状態で臨みたいという要望をいただいていました。さらにこの選手は元から筋肉系のトラブルが多く、トレーニングボリュームのコントロールはかなり密にしていました。

なのでトレーニングボリュームは少なく感じますが、その分1回1セットに拘っていっています。

イメージは毎セッション、トレーニングの前に身体を整える時間を30分以上設けているような感じです。

 

 

・試合4日前のメニュー

常に爆発的パワーも少しだけ入れて練習でのキレも維持させるようなメニュー調整です。

 

 

・試合2日前のメニュー

おそらく最低ボリュームのメニューですが、これ以上を入れると疲労蓄積によって筋肉系のトラブルが発生するか、そもそも試合で動きにくさが残るとのことなのでここに調整しています。

 

 

 

最後に

今回の記事では選手向けにリーグ期間のトレーニング方法をまとめていきましたが、もし何か他に希望があればこんな感じの記事をいくつか出していきたいと思っています。

 

Twitterも今後頑張っていきたいと思っていますので、ぜひ引用リツイートとかで感想をお聞かせください。それが一番の励みになります。

 

Youtubeでウエイトトレーニングに関する投稿も少しずつ増やしているので、もうちょっと勉強したいという方はぜひご覧ください。

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